国道134号線

去年の3/15。

自身初の写真集「EXOTIC R134」を銀河出版様から刊行しました。

出版当日は期待と不安であじわった事がないような感情でした。

それにしても1年あっという間でした。

引き続きよろしくお願いしますね。

今回は、何故自身初の写真集のテーマを国道134号にしたのか、製作の経緯等をお話ししたいと思います。

これから写真集を出版したい方などの少しでもお役になれればと思っています。

まず、テーマ選定の前に何故出版を考えるようになったかと言いますと、大好きな写真家アレック・ソスがインタビューで話していた「どのジャンルにおいても、作家がアート作品に自らの声を見つけるまで最低でも10年はかかる」

この言葉を聞いて自分も10年超えたら写真集を出版したいと思っていたからです。

実際、10年を超えてから不思議と「何か自分なりにまとめられるかも」と思えれるようになってきて模索しだした感じでした。

テーマを探し始めて色々と調べていくと、東京をテーマにした写真集はよく存在するけど、国道134号線の写真集はなかった(私が調べた範囲ではなかった)。

サザンオールスターズがR134を想い、歌うのになんで写真集は無いんだろう。

入口は確かここからだった気がします。

私的に初めの一冊は、海外の写真よりも日本のカルチャーをテーマにしたいと思っていたので国道134号線はとても魅力的に思っていました。

2019年、鎌倉稲村ヶ崎「SIMPLE HOUSE」で開催した個展の際、稲村ヶ崎のサーフポイントの道が台風による波で陥没して片側通行になっていたのを見て、「記録しなきゃいけない」と強く思いました。

今まで見たことのない痛々しい光景で、この世界で永遠のものなどないんだなと痛感しました。

このことがきっかけで更に想いが込み上げていた気がします。

自分のルーツでもある、サーフィンとR134はどこか繋がっていて面白い形になると実感しました。

そこから、どういう構成にしていくかを考えていきました。

思いかえすと、R134を運転していると広がってくる美しい海を見て興奮してることに気がついた。

ということは、「みんなドライブしに来ているんだ」

そこから海をバックに走る車を撮り始めました。

撮り出してみるとサーフィンを撮っている時の感覚に似てることに気づいた。

サーファーが波にのるのを見て構える。車が走って来るのを確認して構える。

舞台は同じに思えた。

「じゃあスローシャッターでノーズライディングを撮るように車を撮ってみよう」

こうして今作のイメージが出来上がりました。

撮り溜まった写真を編集者のトロピカル松村君に見せてみたら「これですやん、これは渡辺さんにしか出来ないこと」

キラキラした目で「一緒に本にまとめましょう」

この日のことは一生忘れない思い出です。

こうして話は加速していきました。

最後に、「日本で一番の海岸線だと思っているから。」

国道134号線をテーマにした最大の理由は、これに尽きるのかなと思います。

サーフィンを始めてすぐに通い始めた鎌倉。

友達とサーフィンをしに行っていたのが、家族ができてからは毎年初詣は鶴岡八幡宮にいくほど家族で大好きな街になっていました。

結局、愛情から出てくる作品が一番強いのではないかと思います。

どれだけ時間をそこにつぎ込めて、どれだけ愛情を注げられるか。

その集大成がこの「EXOTIC R134」になったと思います。

まとまりのない文章で読みづらかったかと思いますが、最後まで読んでくれてありがとうございます。

少しでもどなたかのお役に立てれば幸いです。

写真集 「EXOTIC R134」 | DAYLIGHT PHOTOWORKS

EXOTIC R134浜松を拠点に活動する写真家・渡辺高士さんが鎌倉にアトリエを構えたのは約3年前のこと。海に面した国道134号線に“純粋に”惹かれたのだ。青い水面をバックに走…

«