NALU MAGAZINE No.117 ロングボード紀行 浜松
NALU MAGAZINE No.177
「THE VOICE / サーフィンをとめるな。」
今、世界は未曾有の変革期を迎えている。
Covid-19という未知なるウイルスによって誰もが経験したことのない自粛生活を強いられ、経済は停滞し、海に入ることさえ煙たがれるこの世の中を、誰が一体予測出来たことだろう。
これからのサーフシーンはどうなっていくのか?
この大きく時代が変わるその瞬間に、サーファー達は何を思い何を願ったのか。
その断片を切り取り、後世に残す為にこの特集は企画された。
THE VICE / リアルなサーファー達の声をここに贈りたい。
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「日本ロングボード紀行」
今回の特集エリアは浜松市。
長年撮りためた写真と、恐縮ですが文章も担当させて頂きました。
是非ご覧になってみて下さいね。
日本ロングボード紀行 浜松市編
photo&text / takashi watanabe
駅から車で約10分、距離にして約5km。
街中から海岸がこれほど近いエリアは全国的にも珍しいだろう。
「明日の朝、波良さそうだから仕事の前、海に行こう」
朝イチのサーフィンから始まるライフスタイルを築いているハードコアなサーファーが多数いる浜松エリア。
場所としては東京と大阪のちょうど真ん中を位置し、人口は約80万人。面積は全国の市町村で2番目を誇っている浜松市。
2007年には政令指定都市として指定され、主な産業は世界を代表するスズキ・ホンダ・ヤマハ・カワイがここ浜松で創業されていて言わずと知れた「ものづくりの街」として全国に知れ渡っている。
浜松の象徴の一つでもある浜名湖周辺はリゾート地として開発されている場所も多く、ボートやヨットなどのマリンスポーツも盛んに行われている。
サーフィンのイメージとしては静波・伊良湖に挟まれて、サーフトリップの旅先としては中々のアンダーグラウンドなエリアであると思う。
その反面、多くのプロサーファーを輩出しているエリアでもあり実力者は多く存在しサーフィンの歴史も深く浸透している。過去には全日本のコンテストが開催され、今でも語り継がれている。
ベストシーズンは「遠州のからっ風」が吹き続ける冬型の気圧配置が決まる季節以外は比較的コンスタントにコンディションが決まり、風の弱い時間帯を選んで波乗りを楽しんでいる。
代表的なポイントは、中田島・凧場。
浜松を代表する祭り「浜松祭り」のメイン会場であることから地元では「タコバ」と呼ばれている。他のポイントよりウネリの反応が良く多くのローカルが常に気にかけているポイントだ。駐車スペースも広く水道・トイレも整備されており、波のいい日は必ず大勢のサーファーで賑わっている。
波質的にはショートでもロングでも合う波がありサンドバーによってはショートとロングのピークが分かれる事もある。比較的ブレイクもメローでビギナーにも適したポイントでもある。
凧場周辺の風が合わない時は西に動けば舞阪・潮見坂エリア。東に動けば豊浜・鮫島エリアとポイントも多数。ポイント間の移動距離もそれほど遠くなく、その時々の地形・風向きに合わせて足を運ぶ事が可能なエリアである。
ロングボードのシーンでいうと真っ先に思い浮かぶのが阿隅寛典氏(ハウスオブサーフ・オーナー)。高校卒業後19歳からロングボードを本格的に始め20代半ばでプロに転向、瞬く間に日本屈指の実力者に登り詰めた。彼の元からもまた多数の実力者が生まれていった。「浜松のロングボードを語る上でこの人は絶対に外せない」であろう人物だ。
次は2016年から凧場で開催されているシングルフィンロングボードの祭典「THE ONE ~LOG JAM JAPAN~」の影響力が思い浮かぶ。
実行委員の5名の内2名が浜松の加藤直樹氏(グラスグリーンサーフガレージ・オーナー)と柴田邦敦氏(グラスグリーンサーフガレージ・ライダー)で彼ら2名の魅力も加わり、浜松でもロングボードに興味を持つ人や始める人がここ最近急激に増えだしてきている。
ロングボードの他にミッドレングス、フィッシュを乗りこなす姿を最近では頻繁に見るようになりオルタナティブボードが主流になりつつあり波のコンディションに合わせてボードを選んでいる人がかなり多くなってきたと感じている。
名産品の美味しい鰻を食べて波乗りも楽しんで、浜名湖周辺では自然を感じて。
ちょっと変わった行き先を求めている方には丁度いい立地なのかもしれません。
「一度、浜松を感じに来てみてはいかがでしょうか」
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DAYLIGHT PHOTOWORKS
takashi watanabe
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